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CLASSIX株式会社 営業/終活アドバイザー
一人暮らしの高齢者の孤独死防止と生存確認サービス・グッズの選び方
孤独死は、誰にでも降りかかる可能性がある身近なリスクだということをご存知ですか？「わが家に限ってまさか……」と考えていると、取り返しのつかない事態になってから後悔するかもしれません。
特に、一人暮らしの高齢者には孤独死の危険性がつきものです。高齢になると、いつどのような問題が起こるかわからず、生存確認ももれやすいといえます。実際に、ほかの世代に比べ、高齢者に孤独死が起こりやすいことも報告されています。
大切な家族は、できる限り誰かが看取ってあげたいもの。離れて暮らしていても家族なのだから、せめて最期はきちんとお別れを伝えたいと思うのがまごころです。万が一間に合わなかったとしても、孤独死して長い時間が経ってから発見されることは絶対に避けたいですよね。
そこで本記事では、高齢者が抱える孤独死について徹底的に迫ります。家族が高齢者のためにしてあげられるサポートや、孤独死の防止に役立つ見守りサービスとその選び方なども紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
一人暮らしの高齢者が抱える孤独死のリスク
孤独死とは
急な事故や重篤な病気に倒れ、そのまま看取られることなく亡くなることを指す「孤独死」。特に、一人暮らしの高齢者が人知れず事切れてしまったあとは、発見されないまま長い期間が経過しているケースもめずらしくありません。
孤独死は、働き盛りの現役層や若者にも起こりうるリスクではありますが、現代はとりわけ一人暮らしの高齢者に多発していることが問題視されています。独居老人の人数は、年ごとに増加傾向です。身体機能の低下や認知症などで見守りや介護がなくては生活が維持できないにもかかわらず、身近に頼れる人がいないことから、社会的に孤立してしまう高齢者が多いことが原因だと考えられます。
高齢者の一人暮らしでは、いつのまにか生活環境が荒れ果て、栄養失調や病気の発症・進行により生命の危機にさらされていることがあります。身寄りがない独居老人だけではなく、家族と離れて一人暮らししている高齢者にも孤独死のリスクは深刻です。
現在、独居老人の人数は、年々増加する傾向にあります。内閣府の調べによると、令和2年現在で一人暮らしをする65歳は671万7,000人です。同調査報告に掲載されているデータ上でもっとも古い昭和55年時点と比較すると、高齢者の独居は7.6倍以上に増加しています。（参考：令和5年版高齢社会白書｜内閣府）超高齢化が叫ばれはじめて久しい現代の日本では、将来的に、高齢者の一人暮らしがさらに増えていくでしょう。独居高齢者の増加にともない、老人の孤独死もますます深刻化することは想像に難くありません。
親御さまと離れて暮らすことに不安を感じている方は、ぜひこちらの記事もご一読ください。
内部リンク：https://gee-baa.com/watch_over_parents/
高齢者が孤独死するとどうなる？
仮に高齢の家族が孤独死してしまったら、遺族はその後始末をしなければなりません。離れて暮らす親の孤独死の知らせがきた場合、残された家族がすべき主な処理・手続きは、以下のとおりです。
- 現場検証と遺体の身元確認
- 遺体の引き取り
- 死亡届の提出
- 葬儀・火葬
- お墓の検討
- 清掃・遺品回収
- 相続に関する話し合い
親の孤独死が発見されると、警察や住宅の管理人から、家の状態と遺体の顔・状態を確認するよう連絡がきます。死後から確認までに期間が空いていると、変わり果てた姿に大きなショックを受けるかもしれません。基本的には遺族が遺体を引き取りますが、発見までの期間や現状によっては、警察側ですでに火葬まで済まされている場合もあります。
人が亡くなった際には死後7日以内に届け出なければなりません。孤独死した親が住んでいた地域の役場へ行き、死亡届を提出してください。遺体を引き取ったあとは部屋の掃除や遺品整理をすることになりますが、孤独死の現場は激しく荒れ果てている場合もめずらしくありません。遺族では対処しきれないときは、専門の業者に依頼する手もあります。賃貸の場合は、家賃の清算と退去の手続きが必要です。状況によっては、元の状態に戻すための費用を請求される可能性もあります。
親族の死後は、葬儀やお墓の手配も行わなければなりません。お墓と一口にいってもさまざまな納骨方法があるため、知識がない方は迷ってしまうでしょう。また、相続の手続きも発生するので、財産の処理を検討します。借金など負の遺産が多い場合は相続を放棄することもできますが、3カ月という期限が定められているため、すみやかな意思決定および手続きが必須です。
もし孤独死した高齢者に身寄りがない場合は、警察の検死のあとに身元の保証や引き受けができる人がいないため、無縁仏として合祀されます。遺体の処理などにかかった費用は遺産の相続人に請求がいきますが、該当者がいない場合は遺品を競売にかけて費用を捻出し、不足分は自治体の負担です。
発見までに時間がかかった場合、住んでいた建物がいわゆる事故物件となる可能性が高まりますし、臭いや汚れなどのため通常より多くの原状回復費用がかかります。賃貸物件の場合、保証人や相続人が家主に責任を負うことになります。
身寄りがない独居老人だけではなく、家族と離れて一人暮らししている高齢者にも孤独死のリスクは深刻だといえます。大切な家族にも、気づかぬまに孤独死の脅威がすぐ目の前まで迫っているかもしれません。
高齢者に身元保証人がいないリスクに関しては、こちらの記事でくわしく説明していますのでぜひご覧ください。
内部リンク：https://gee-baa.com/identity-guarantor/
一人暮らしの高齢者は孤独死のリスクが高いことを、政府の諸統計をふまえて解説しました。一人暮らしの高齢者は、適切なサポートが得られないと、生活環境に物理的・精神的に問題を抱えやすいといえます。未然に孤独死を防ぐためには、家族・親族だけではなく、行政や民間企業を含む地域全体で協力し合って高齢者を見守ることが大切です。
また、高齢の親が孤独死した場合の処理は非常に複雑かつ多岐にわたります。大切な家族を失った悲しみに暮れるなか、スムーズに後始末をするのは難しいでしょう。
高齢者の孤独死を防止するためには、身内や周囲が孤独死の脅威にしっかりと向き合い、具体的な対策を考えていく必要があります。そこで次の章では、わが国における孤独死の「今」を考えてみましょう。
高齢者の孤独死の現状
本章では、孤独死の恐怖を明確にするため、下記2点の項目についての知識を深めていきます。
- 孤独死の平均年齢と発見までの期間
- 都市部における孤独死の状況
各種統計データをもとに、高齢者が抱える孤独死のリスクへの理解を深めていきましょう。
孤独死の平均年齢と発見までの期間
日本少額短期保険協会がまとめた「第7回孤独死現状レポート」によると、孤独死者の平均年齢は約62歳であり、平均寿命よりはるかに短いといえます。最も多い死因は病気、次いで自殺です。孤独死の発生から3日以内で見つかっているケースが多いとはいえ、発見まで、3カ月以上気づかれない場合もあり、平均では18日が経過しています。（参考：第7回孤独死現状レポート｜日本少額短期保険協会）
高齢者の孤独死で2番目に多い原因である自殺は社会問題となっていますが「令和5年版高齢社会白書」によると、平成24年以降は減少傾向にありました。しかし、令和4年の65歳以上の自殺者数は8,249人であり、再び増加に転じています。（参考：令和5年版高齢社会白書｜内閣府）
都市部における孤独死の状況
続いて、国内で死亡者数が多い都市である東京と大阪にスポットを当て、高齢者の孤独死の現状に迫りましょう。
まず、東京都における高齢者の孤独死からです。先ほどと同じく「令和5年版高齢社会白書」をみてみると、令和3年における東京23区内で孤独死した65歳以上は4,010人でした。平成23年以降、65歳以上の孤独死は徐々に増加しています。（参考：令和5年版高齢社会白書｜内閣府）
次に、大阪府に住む独居老人の孤独死の状況です。大阪府警の調べでは、大阪府内で発生した死後2日以上経過している孤独死は2,996件であり、71%が65歳以上の高齢者だということがわかりました。（参考：https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/31232/00000000/sanko-haifu.pdf）
人口が多い都市での統計の結果は、日本全体の縮図ともいえます。つまり、都市部だけではなく、過疎地域も含む全域に渡り、孤独死が深刻化していく可能性が否めないということです。
現代における高齢者の孤独死の実態について解説しました。若年層にも孤独死の危険性はありますが、最もリスクが高まる年齢は60歳以上の高齢者です。一人暮らしだと死後見つかるまでにかかる日数も長期化しがちであり、遺族や発見者のショックや状況の痛ましさは計り知れません。東京都や大阪府をはじめとし、国内全体で孤独死する高齢者の増加が問題になっています。
それでは、高齢者の孤独死はなぜ増えているのでしょうか？原因を知れば、孤独死を防止する手立てを見つける手がかりが得られるかもしれません。
次の章では、独居高齢者の孤独死が増加する要因を説明します。
高齢者の孤独死が増える原因
現代において高齢者の孤独死が増えている原因は、主に次の4点です。
- 単身世帯の増加
- 生涯独身者の増加
- 社会的な繋がりの希薄化
- 貧困
高齢者の孤独死増加の要因を把握し、リスクを確認してみましょう。
単身世帯の増加
核家族化が進むにつれ、単独で生活する高齢者が増加しており、孤独死のリスクが高まっています。令和2年の国勢調査の結果では、65歳以上の単独世帯は6,716,806人であり、平成17年からの15年間で、1.7倍以上にもおよぶ増加です。（参考：令和2年国勢調査｜総務省統計局）
高齢者は、配偶者と死別して一人暮らしになると、生活が一変する方も少なくありません。特に男性は、急に一人で暮らし始めると食事作りや掃除が十分に行えないケースも多く、生活環境の悪化により健康を損ねやすくなることが懸念されます。問題なく家事が行える女性であっても、老化による身体機能や認知機能の低下により、今まで問題なく行えていたことが急にできなくなる方もいるでしょう。
独居老人のリスクに関してより理解を深めたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。
内部リンク：https://gee-baa.com/elderly_person_living_alone_watch_over/
生涯独身者の増加
前項でも述べた高齢の独身世帯の増加にも関連する問題として、未婚のまま高齢を迎える方が増えていることも、孤独死の増加に影響しています。期間工合同会社が令和2年の国勢調査をもとに算出したデータによると、国内の生涯未婚率は、平成2年と比べ大幅な増加です。男性の約3割、女性の2割近くが一度も結婚することなく生涯を終えています。（参考：【2023年最新】日本の「未婚」「独身」を調査 日本全体の未婚者は32,790,076人、生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17.85%｜PR TIMES）
独身者の増加の主な原因として指摘されることの一つは、経済的な不安です。非正規雇用も多く、男性が一家の大黒柱として生計を担う文化が根強い日本では、結婚して家族を持つことにためらいを覚える若者が少なくありません。
反面、若年層の中では、以前とは異なり「結婚しないのも一つの選択肢」という価値観が広まっています。自分らしく生きるため、あえて一人を選ぶことは決して悪いことではありません。しかし、高齢になったときの対策をきちんと考えておかなければ、一人で安心して暮らしていくのは困難です。
社会的な繋がりの希薄化
高齢者が一人暮らしをしていると、社会から孤立しがちです。従来、日本では地域住民との密接な関わりをとおし、高齢者をさりげなく見守るシステムが形成されていました。しかし、プライバシー保護が重視されるようになった現代では、社会的な繋がりが薄れ、社会の輪から外れてしまう高齢者が増加傾向です。
内閣府の「令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果」によれば、60歳以上の男女のうち、約40%が人付き合いがなく、約20%は「周囲から取り残されている」もしくは「孤独である」と感じています。（参考：令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果｜内閣府）
孤立により生まれた孤独感は、病気や認知症のリスクを増大させる大きな要因です。自らの意志に関係なく、いつのまにか社会から断絶されてしまい、誰にも気づかれないまま亡くなる方もめずらしくありません。
また、近年突如として猛威を振るった新型コロナウイルス感染症の拡大は、高齢者から人との直接的なふれあいを奪う一因となりました。SNSをはじめとする通信コミュニケーションの機会は増えたとはいえ、ICT（情報通信技術）機器の操作に明るくない高齢者にとっては、孤立化をより進めるきっかけになったといえます。
貧困
老後の一人暮らしでは収入の手段が限られることから、経済的に困窮し、健康を害してしまう高齢者が多いことも、孤独死の増加要因です。現役世代のうちに高額納付を続けた富裕層を除き、収入源が年金だけでは生活が難しいといえます。
受給できる年金がわずかでも、若いうちに貯蓄を増やして老後に備えておけば、生活が困窮する心配は少ないでしょう。しかし、長引く不況による賃金の低下や正規雇用機会の減少などにより、誰もが十分に老後資金を蓄えられるわけではありません。
扶養や金銭的な援助を頼れる家族がいればよいのですが、親の生活にまで手が回らない家庭もめずらしくなく、生活保護を受給しなければ生きていけない高齢者もいます。
令和5年6月現在で生活保護を受給する高齢者は911,257人であり、うち9割以上が一人暮らしです。（参考：生活保護の被保護者調査（令和5年6月分概数）の結果を公表します｜厚生労働省）高齢者の生活保護の受給・申請件数は、年を経るごとに少しずつ増加しています。最低限の生活さえ維持が困難な状況では、自分らしく生きていくことはおろか医療機関への受診すらままならず、孤独死のリスクが上昇するでしょう。
孤独死する高齢者が増えている理由を解説しました。現代日本において社会問題となっていることが引き金となり、心身の健康を害し、結果として孤独死につながっています。身寄りがない方はもちろん、一人暮らしをするすべての高齢者には、孤独にならないための対策が必要です。
とはいえ、具体的にどのような対処が必要なのか、疑問に思う方も多いでしょう。そこで次の章では、離れて暮らす身内が高齢者にしてあげられる孤独死の予防方法をお伝えします。
家族・親族ができる孤独死の防止策
離れて暮らす家族・親族が高齢者の孤独死を防ぐためにしてあげられるサポートには、以下のようなものがあります。
- 定期的に連絡を取る
- 社会参加を促す
- 孤独死防止になる見守りサービス・アプリを利用する
高齢者の孤独死は、本人だけではなく、遺族や近隣住民にとって非常にいたたましい出来事です。孤独死を避けられる術があるのなら、身内としてできる限りのことをしてあげたいですよね。
たしかに、離れて暮らしていると、高齢の家族のためにしてあげられることが限られるでしょう。しかし、上記3つの方法であれば支援する家族の負担も多くないため、気軽にできますよね。
ここからは、高齢者の孤独死の防止になる対策法を紹介します。
定期的に連絡を取る
頻繁に高齢者の自宅を訪れていれば、孤独死して長期間が経過する可能性は限りなく少ないといえます。訪問が難しい場合には、電話やメールで直接連絡するのでも構いません。メールやSNSなど、コミュニケーションを取る中で安否確認ができ、健康状態の把握や以上事態の察知が可能です。
しかし、遠方に住んでいる場合は頻回の訪問は難しいでしょう。忙しい毎日に追われ、なかなか連絡が取れないケースも少なくありません。
自ら連絡を取るのが難しいのであれば、代わりに安否確認を行える方法を探さなくては、高齢者はどんどん孤立してしまうかもしれません。
社会参加を促す
地域の近隣住民との交流は、人との繋がりが生まれ、孤独死の防止や早期発見にも繋がる可能性があります。定期的に集まりに参加することで、高齢者の孤立状態を防ぐだけではなく、メンバーから異変に気づいてもらいやすくなるためです。
また、老人サークルやボランティアなどの地域活動へ積極的に参加することで、健康増進や、老後の生きがい発見につながるかもしれません。人とのふれあいや生きがいが生まれると、孤独感が癒され、低迷しがちな高齢者の心身の状態が健やかになるきっかけが得られます。
孤独死防止になる見守りサービス・アプリを利用する
家族による定期的な連絡は難しく、人と自ら積極的に関わるのは抵抗感が強そう……そのようなときは、身内に代わって高齢者の安否や状況の確認を代行するサービスの利用をおすすめします。見守りサービスを利用すれば、本人の健康状態の急変や緊急事態を察知し、駆けつけたり、通報してくれたりすることで、孤独死防止を全面的にサポートしてくれます。
見守りサービスの提供元や種類はさまざまです。直接訪問や通信機能などで様子をうかがうサービスのほかに、緊急時に駆けつけてくれるタイプもあります。話し相手になったり簡単な家事を代行したりするサービスもあり、状況に応じて適切なサービスを選択することが可能です。
高齢者の孤独死を防ぐ方法を解説しました。家族や親族が気がけて安否確認を行えれば一番よいのですが、離れて暮らす身内にまで配慮する余裕がない方も多いでしょう。見守りサービスをうまく活用することで、高齢者の安心・安全を手軽に守ることが可能です。
外部から提供される見守りにはさまざまなタイプがあると述べましたが、実際にどのようなサービスがあるのかをご存知ないかたも多いと思います。そこで次の章では、見守りサービスの利便性を把握する第一歩として、まずはどのような提供元があるのかを説明します。
孤独死を防ぐ「見守りサービス」とは
見守りサービスには、大きくわけて以下の2つのタイプがあります。
- 自治体が提供する見守り対策
- 民間会社の見守りサービス
自治体主導のサービスと民間会社が提供するタイプとでは、内容が似ていても費用やカバーできる範囲などが異なります。それぞれの特徴を明確に把握しておかなければ、適したサービスは選べません。見守りサービスの提供元によるちがいについて、くわしくみていきましょう。
高齢者の見守り全般に関する情報を知りたい方は、こちらの記事でも紹介していますのでぜひ参考にしてください。
内部リンク：https://gee-baa.com/watch_over_the_elderly/
自治体が提供する見守り対策
自治体では、高齢者の安心・安全な暮らしを保つため、地域全体でバックアップする取り組みを行っています。サービス内容はさまざまですが、主に以下のようなものがあります。
民生委員などの専門職員による安否確認
- 配食サービス
- ごみ収集の戸別訪問
- 緊急通報装置の貸与
- バリアフリーリフォームの補助金
- 地域に根ざした見守り活動、ふるさと納税の返礼
民間会社と自治体との連携事業もあり、地域包括ケアシステムに基づく介護支援サービスの拡充を目指すことで高齢者の孤独死を未然に防いでいます。無料または格安で提供されているサービスが多く、気軽に利用できるところがうれしいポイントです。
自治体の見守りに関してはこちらの記事でも解説していますので、ぜひご覧ください。
内部リンク：https://gee-baa.com/elderly_people_living_alone_monitoring_municipalities/
民間会社の見守りサービス
民間企業・事業所が提供する有料の見守りは、多岐に渡る内容であり、オリジナリティあふれるサービスが数多く提供されています。訪問や定期コールのほか、スマートフォンのアプリおよびカメラをはじめとするグッズを利用したものなど、あらゆる手段を駆使したサービスが盛りだくさんです。
利用時にかかる費用もさまざまですが、一般的に自治体による見守りサービスと比べ高額になる傾向があります。とはいえ、費用がかかる代わりに正確で安全性が高く、高齢者の生活を確実に見守り、孤独死を防げる方法として人気を博しています。
見守りサービスの提供元を紹介しました。自治体の見守りは、個々のケースへの対応というより全体を包括した支援を地域ぐるみで展開するために制度化された活動です。一方、民間会社のサービスは、高齢者一人ひとりに寄り添い、個別の満足度に特化した見守りを提供しています。
提供元に続き、次の章では孤独死を防ぐために使える見守りサービスにはどのような種類があるのかをみていきましょう。
孤独死の防止に効果的な見守りサービスの種類
外部から提供される見守りサービスは、主に次の3種類です。
- 対面タイプの見守り
- 接触タイプの見守り
- 非接触タイプの見守り
各サービスの特徴を知り、見守りサービスの利用シーンを具体的に想像してみてください。
対面タイプの見守り
対面タイプの見守りとは、担当者が高齢者の家に直接赴き、対面で安否確認するサービスです。訪問介護や宅配・配食、ライフラインの点検の際に声かけをするサービスもあります。直接顔を見ることで、文字や声だけではわからないささいな変化や様子までチェックすることが可能です。
ただし、訪問の頻度があらかじめ決められているため、いざというときに対応できないおそれがあります。また、本人の性格や考え方によっては、定期的に他人と顔を合わせることを苦痛に感じるかもしれません。
接触タイプの見守り
接触タイプの見守りとは、高齢者本人が機器などを操作して受発信することで安否確認や会話ができるサービスです。よくあるサービスとして、定期的に電話がかかってくるサービスのほか、高齢者本人によるダイヤル発信やメールの送受信などが挙げられます。通報ボタンを押せば警備スタッフが駆けつけるホームセキュリティサービスもあり、事故や災害、犯罪への対策としても有効です。
操作方法は比較的シンプルなため、もしものことがあったときでも使いやすく、本人も家族も安心できます。しかし、操作の必要がある接触タイプの見守りは、急に倒れたり操作できない状況に陥ったりした場合に効果を発揮できないのが問題点です。高齢者は機器の操作が苦手な方も多いため、場合によっては活用が難しい可能性もあります。
非接触タイプの見守り
非接触タイプとは、本人の動作がいらないオート機能を利用した見守りサービスのことです。自宅に取り付けたカメラや人感センサーのほか、スマートフォンのアプリやグッズをとおして位置確認や動体確認などを自動で察知します。感知した内容は、指定した人に自動で通知されるしくみになっているため、操作が困難な状態でも有効な見守りサービスです。
最近では、家電を活用したloTやペット代わりにもなるAI・ロボットによる見守りなども登場しています。非接触タイプは、基本的に24時間体制で見守れるサービスです。そのうえ、一定期間以上にわたって動作が確認できないときにスタッフが駆けつけてくれるサービスもあるため、安心感が抜群です。
しかし、人によっては常時動きを監視されているように感じる場合があります。強い拒否感を覚え、設置を拒否するケースもめずらしくありません。
各種見守りサービスの特徴を紹介しました。見守りサービスは種類によって一長一短です。メリットとデメリットの両方を正しく把握することで、適切な見守り方法を検討する際のヒントになります。
高齢者の見守りの概要は理解できたとしても、サービス利用の決め手に欠けると感じている方もいるのではないでしょうか。そこで次の章では、高齢者の生活に見守りサービスが欠かせない理由を説明します。
孤独死対策に見守りサービスが有効な5つの理由
高齢者には、下記5点の理由から、見守りサービスの利用が推奨されています。
- 定期的に生存確認が取れる
- 異変を迅速に察知できる
- 人とのふれあいが生まれる
- 要望や好みに応じてグッズを選べる
- 相談しやすい
見守りサービスの孤独死防止につながる効果を知っていただき、離れて暮らす高齢者の毎日の安全管理にぜひ活用していただけたら幸いです。
定期的に生存確認が取れる
見守りサービスを導入すれば、家族や身内が直接連絡することが難しい場合でも、手軽に安否確認ができます。親が高齢になると、いつ何が起こるか予測がつきにくいため、できる限り細やかに訪問や連絡して様子を伺ってあげないと心配です。しかし、親と離れて暮らしていると、様子や健康状態を毎日確認するのはお互いに難しいところがあります。
見守りサービスを契約しておけば、定期的に連絡を入れて生存確認することで、緊急事態の発生時や状態が急変した際でもすばやく対処できるため、知らぬ間に親が孤独死して長期的に放置状態となる危険性がが大きく下がるでしょう。
異変を迅速に察知できる
単独で暮らす高齢者における異変の迅速な察知には、見守りサービスの利用が不可欠です。一人暮らしだと、緊急事態が発生しても、すぐに誰からも気づかれず、対応が遅れてしまうかもしれません。
見守りサービスを利用した場合、定期的に見守ってもらえるため、もしものときでもすばやく気づけます。また、見守りサービスには緊急時の対応に長けたプロが待機していることから、異変を察知したあとに適切な対処をとれるようになるでしょう。
人とのふれあいが生まれる
先にも述べたとおり、一人暮らしの高齢者の社会的孤立は深刻な問題であり、回避策を講じる必要があります。人とのふれあいが少ないと、孤独感から心身を病みやすくなり、結果として孤独死する可能性もあります。
直接会話するタイプの見守りサービスを利用すれば、高齢者本人が行動せずとも定期的な人との交流が生まれ、毎日に張り合いが出ます。定期的に人のあたたかみに触れることで、うつうつとしがちな老後にも光がさすことでしょう。
要望や好みに応じてグッズを選べる
見守りサービスの提供方法には、さまざまな形態やグッズがあります。人との会話を求めている場合と、緊急時の対応に重きを置いているケースとでは選ぶべきサービスが異なるものです。数あるサービスやグッズの中から、利用する高齢者本人の要望や好みに合う見守り手段を選べば、安心感や満足感が高まるでしょう。。
また、見守りサービスを活用できるかどうかは、ツール・グッズの操作性にかかっているといっても過言ではありません。いざというときに高齢者でもたやすく操作できるよう、本人の様子も伺いながら使いやすい見守り方法を選びましょう。
相談しやすい
見守りサービスによっては幅広い相談事を受け付けている点も、見守りサービスをおすすめしたい理由の一つです。政府が全国を対象に人間関係の調査を実施したところ、孤独感を感じているにもかかわらず、全体の3割超が相談することに対してマイナスの感情や羞恥心を抱いています。（参考：人々のつながりに関する基礎調査（令和４年） 調査結果の概要｜内閣官房孤独・孤立対策担当室 ）
また、孤独死した高齢者の遺族には、煩雑な後始末が残されます。さまざまな手続きのアドバイスや、選択肢を気軽に相談できる窓口があれば助かりますよね。
相談をためらっているうちに状態が急変し、突然人知れずなくなってしまう危険性がないとは言い切れません。見守りサービスなら、高齢者にありがちな困り事に関してならどんな内容でも気兼ねなく相談できるため、気楽な話し相手として活用できます。
高齢者の孤独死防止に対する見守りサービスの有効性を紹介しました。孤独死の防止には、定期的かつ継続した見守りが欠かせません。各種サービスを活用し、高齢者の見守り体制を強化して孤独死を回避しましょう。
ここまでの説明で、実際にどのようなサービスなのかを知り、外部提供による見守りに興味を抱いた方も多いことでしょう。何を基準に選べばよいのかが気になるところですよね。
そこで次の章では、孤独死防止の観点からみた見守りサービスの選び方をお伝えします。
孤独死を防げる見守りサービスを選ぶポイント
大切な家族を見守るサービスを選ぶ際には、必ず前もって下記の2点を確認してください。
- 本人の意思の確認
- 担当者の対応
見守りサービスの利用目的は、使用する方によって異なります。よって、人によって使いやすいサービスがバラバラであり、どれがベストなのかは一概にはいえません。
活用して孤独死を回避するためには、上記の選定ポイントから総合的に判断し、ケースバイケースで最適な手段を選ぶことが大切です。ここからは、上記の見守りサービスの選定ポイントをお伝えします。
本人の意思の確認
まず第一に、サービスを実際に利用する高齢者本人の気持ちを大事にしてあげてください。「見守り＝監視」だと捉えている高齢者も多く、カメラやセンサーの設置に抵抗感を感じる場合があります。また、人に自ら関わることが苦手な方にとっては、決められた時刻に連絡を強制されるのはストレスに感じるでしょう。
そもそも、60代の半数以上が自らを高齢者だと自覚していないことからもわかるとおり、見守りサービスを勧められること自体に嫌悪感を抱く場合があります。（参考：令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査結果｜内閣府）
よかれと思ってしたことが裏目に出てしまい、最悪の場合、わだかまりが生じて疎遠になるきっかけになるかもしれません。高齢者に押し付ける形になってしまわないよう、本人の意思を確認して尊重してあげましょう。
担当者の対応
見守りサービスは、担当者の高齢者の見守りに関する知識や理解の深さも大切な選定ポイントだといえます。また、利用者やその家族にスタッフとの間に関わり合いが生じる見守りサービスでは、担当者の人柄で相談のしやすさが異なります。
親身になって相談に乗ってくれるサービスであれば連絡しやすく、本人に楽しみを与えながら見守れるため一石二鳥です。人との会話が増えると、ちょっとした異変にも気づいてもらえる可能性が高まり、孤独死の回避につながるでしょう。
自分や家族に合った見守りサービスの選び方を紹介しました。サービスを選ぶ際に忘れてはならないのは、見守りが孤独死防止に活用できるかどうかは利用する本人の意思に委ねられる部分が大きいということです。「高齢者でも利用しやすいサービス」というポイントに着目することで、最適な見守り方法が見つかるでしょう。
といっても、本記事で説明したように、見守りサービスの選択肢は多岐に渡ります。孤独死を確実に防ぐためにはどのようなサービスがよいのかを迷いなく見極めるのは至難の業です。
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まとめ
孤独死は、誰にでも起こりうるリスクです。家族によるサポートが必要なのはもちろんのこと、見守りサービスをうまく活用しつつ、地域社会全体で高齢者を支えることが大切だといえます。
見守りサービスを活用すれば、孤独死の防止だけではなく、日々の生活の中に張り合いや生きがいが生まれ、よりよい環境づくりにもつながります。人とのふれあいを定期的に持ち、心身が健やかな状態を保つことで、孤独死の脅威を和らげられるでしょう。
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