CLASSIX株式会社 営業/終活アドバイザー
終活とは?何歳で?何を?終活ノートに書くべき基本とよくある疑問にもお答えします
「終活という言葉は聞いたことはあるけれど、具体的に何をすればいいのだろう?」
「いったい、いつから終活を始めればいい?」
最近よく耳にするようになった「終活」。気になりつつも、何から手をつけていいのか、終活は本当に必要なのかわからず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
結論として、人生の最後を自分らしく迎えるための事前準備である終活は非常に重要だといえます。自らの死について見つめ直すことで豊かな老後が実現するからです。
しかし、実際にどのようにすればいいのかわからないままやみくもに終活を進めても、苦労したにもかかわらず納得のいく結果が得られないかもしれません。
そこで本記事では、終活に関する内容と始めるタイミング、得られるメリットなど、終活の基本について徹底的に解説します。終活の注意点や老後に関する資金問題、知っておくと助かる契約についても紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
終活の意義と目指すこと
まず終活とは何なのか、次の観点から考えてみましょう
- 終活の意義と目指すこと
- 終活の必要性
以下でひとつずつ確認します。
終活の意義
「終活」とは、人生の最期に向けた事前準備として、さまざまな活動・手続きなどをすることです。あらかじめ人生が終わる際に必要な手続きを行っておくことで、心穏やかに生活できるようになります。
現在、老後に起こりがちな困りごとを最小限に抑えるため、元気なうちに計画を立てておきたいと考える人が増加中です。
終活で目指すこと
終活で目指すことは主に以下のとおりです。
- 老後の不安を軽減
- 自分の最期に対する向き合い方を考える
老後を考えておくことは、高齢者はもちろんのこと、おひとりさまや若い方にも重要だといえます。終活の目的について、それぞれ見ていきましょう。
老後の不安を軽減
身の回りを整えておくことで、自分の老後に関する不安を軽減することを目指します。
自分の最期について、漠然とした不安を抱えている方も多いでしょう。また、トラブルが起こりやすい死後の財産管理や葬儀・お墓などの問題も気がかりです。
自分の死にあえて向き合い、最期に際する方向性を前もって決めておくことで、心の平穏が得られるようになったという人も少なくありません。
死後のことを頼める人がいないと気に病む独身・おひとりさまも、終活を行い身辺整理をしておけば、安心して老後を迎えられるようになります。
自分の最期に対する向き合い方を考える
自分の最期に対する向き合い方を考えることには大きな意義があります。
従来、最期に関する事柄に触れるのは縁起でもないと避けられてきました。このため、終活に対して後ろ向きなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
ところが、終活は非常にポジティブな行為だといえます。なぜなら、自分の死について考えることで、今を充実させる重要性に気がつけるからです。
人生を改めて俯瞰し、死への恐怖から誰もが避けがちな「自分が死んだらどうなるのだろう?」という疑問に正面から向き合うことで、気持ちの整理がつけられます。結果として今を大切に思えるようになり、今後の人生を明るく過ごせるようになるでしょう。
終活の意義と目的について確認しました。
人生の最期に関する事前準備を行う終活は、老後に気がかりになりがちな問題を整理できる点で非常に有意義だといえます。また、自分の死にきちんと向き合うことで今を大切にする気持ちを再確認できることも大きなメリットです。
終活は現代を生きるあらゆる世代からの注目が集まっていますが、その背景にはどのような問題が隠れているのでしょうか?
次の章では終活の必要性が高まっている要因について考えてみましょう。
終活の必要性が高まった要因
現代は、以下の理由から終活の必要性が高まっています。
- ひとり暮らしが増えた
- 少子高齢化
終活の必要性が高まった背景について、さまざまなデータから読み解いていきましょう。
ひとり暮らしが増えた
現代はひとり暮らし世帯が以前と比べ増加しており、このライフスタイルの変化は終活の必要性を高める一因になっているといえます。
国勢調査の結果では、日本全体の人口は減少しているにもかかわらず、2020年における世帯数は5570万世帯と年々増加傾向にあることがわかりました。世帯数増加の背景には、ひとり暮らし世帯の増加が大きく関与していることが示唆されています。(参考:令和2年国勢調査 ライフステージでみる日本の人口・世帯|総務省統計局)
また、同調査では、現在の日本は1人暮らしの人が最も多いうえ、2020年の単独世帯の割合は2000年の1.4倍近く増加していることも判明しました。
上記の背景として、核家族化により子供が独り立ちし配偶者と死別したあとはひとりになることや、独身者・事実婚の増加が考えられます。
もしものときに備えておくことはあらゆる世代にとって重要です。頼れる人が少ない傾向にあるひとり暮らしであればなおさらのこと、終活で身辺を整えておく必要性が高いでしょう。
少子高齢化
終活の必要性の高まりには、現代において深刻な問題となっている少子高齢化も大きな影響を与えています。
厚生労働省によると、日本の人口は2010年以降減少し続けており、2040年には全体の35%近くが65歳以上になるとの推測が示されました。また、日本の合計特殊出生率は諸外国と比べ最低水準となる1.30%です。
一方で、平均寿命は年々高まっており、先進7カ国と比較して最長であることもわかりました。(参考:我が国の人口について|厚生労働省)
上記の結果は、今後の人生において介護や看取りの人手不足が顕著になることを示しています。人口増加を前提とした社会保障制度が維持できなくなる可能性も示唆されている中で、自らの老後を楽観視できない状況になっているのです。
頼れる人がいない場合にも安心して暮らすためには、事前の備えこそ重要だといえます。終活をしておくことで、老後に起こりうるあらゆるリスクに対処しやすくなるでしょう。
地域との繋がりの希薄化
以前は多かった地域や近隣住民との交流が現代では希薄化していることも終活の必要性を高めています。
内閣府が公表している令和2年の世論調査の結果によると、人口20万人未満の地域で全体の15.5%の人が地域の繋がりの希薄化を気がかりに感じていることがわかりました。
多くの人が地域との密接な繋がりを持てず、老後どこに助けを求めていいのか不安を抱えているのです。また、老後の相談先が分からないと考えている若者世代の多さも目立っています。(参考:地域社会の暮らしに関する世論調査|内閣府)
地域との繋がりが保たれていれば、仮に家族に頼れなくても誰かが助けになってくれるはずです。しかし、地域との繋がりが希薄になっている現代では、あらかじめ自分のことは自分で考えておかなければならないでしょう。
おひとりさまや頼れる人がいない方に関する悩みについては、こちらの記事も参考にしてください。
関連記事:https://gee-baa.com/identity-guarantor/
終活の必要性が高まった要因の裏に隠れる現代のリスクについて説明しました。
現在、社会問題となっている独居世帯の増加や少子高齢化の進行が、前もって死後に備えておくことの必要性を高めています。また、地域に頼れる人がいなくても安心して最期を迎えるためには、事前に自分の最期についてきちんと向き合うことが大切です。
終活は重要とはいえ、いったいいつから始めればいいのか疑問に思う方も多いでしょう。そこで次の章では、終活を始めるタイミングについて考えていきます。
終活はいつ始める?年代別のタイミング決定版
それぞれの年代で終活を考え始める転機となるイベントについて以下のようにまとめました。
- 50代以上
- 40代
- 20代・30代
前提として、終活を始める時期は人それぞれであり、決まったタイミングはありません。多くの人が人生のさまざまな節目で自分の最期を意識し始め、終活を考え始めるようです。つまり、終活は思いついた時こそ最適なタイミングだといえます。
終活について考え始めるタイミングを年代別にみてみましょう。
50代以上
大半の人が50代以上になると終活を意識し始めます。子供の独立や自らの定年退職など、第2の人生について考え始める時期だからです。
家族から老後・死後のことについて考えておくよう勧められて終活を始める人もいます。
40代
40代は人生も後半に差し掛かる頃であり、終活が気になり始める人もめずらしくありません。健康診断の結果や体力の衰えを感じ始めると、老後の不安から終活を意識し始める方が多いです。大きなケガやガンなどによる余命宣告をキッカケに終活をし始めた人もいます。
また、親の高齢化や病気、死なども40代頃で自分の老後を意識するタイミングです。介護や死後の手続き、遺産相続で苦労した経験があると「自分は同じ失敗は繰り返さない」と強く決意するのかもしれません。
さらに、独身者は40代を迎えると老後が心配になってくる方も多いようです。早めに年賀状仕舞いをしたいという理由で終活を意識し始める人もいます。
20代・30代
20代・30代でも、終活を始めるのに決して早すぎることはありません。人生はいつ最期を迎えるかわからないからこそ、日々を大切にしなくてはならないからです。
現在、家族に迷惑をかけたくない、自分のことは自分で決めたいと考える若者世代が増加しています。体力・気力ともに充実しているうちに終活について考えておくほうが、人生が豊かになるという見方が広まっているのです。
20代?30代で子供を持つ人が多いと思いますが、終活をしておくことで自分の身にもしものことがあった際に残される家族を守ることにも繋がります。
終活を考え始めるタイミングについて年代別に解説しました。年代に関わらず、終活というワードが気になるようになったら準備を始めましょう。
いざ終活を始めるとなった場合、具体的にどのような内容について考えればいいのかご存知ですか?何を決めるべきかわからないまま終活を始めると、思うような結果が得られないかもしれません。
そこで次の章では、終活で決めておくべき内容について具体的に説明します。
終活で決める具体的な内容6選
終活の具体的な内容は次のとおりです。
- 財産の整理
- 遺言書の作成
- 身辺整理
- 介護・病気の治療方針
- 葬儀やお墓のこと
- エンディングノートの作成
必要性に応じて内容は変化しますが、基本的に上記6点を押さえておけば問題ありません。それぞれの項目について詳しく解説します。
財産の整理
終活では、死後に揉め事がおきやすい財産について整理しておきましょう。具体的には、以下の点を誰がみてもわかりやすいようにまとめておきます。
- 預貯金
- クレジットカード
- 不動産(自宅・別荘・田畑・土地・収益物件など)
- 有価証券(株式・債券・手形・小切手)・投資信託
- 美術品・骨董品・貴金属
- 保険に関すること
- 年金の受給額など
- マイナスの財産
- 不要物の処分
預貯金の管理やクレジットカードの契約状況、所有する不動産はもちろん、有価証券などについても状況が確認しやすいよう運用報告書を整理しておきましょう。
所持している美術品などに関しては、鑑定士に依頼して価値を明らかにし、金額や状況に応じて現金化しておくことで損するリスクを減らせます。
保険に関しては、契約内容や受取人、証書の保管場所を明らかにしておくほか、場合によっては乗り換えや解約を検討してください。
また、老後の収入源を確認するため、年金の受け取り額を確認しておくことをおすすめします。年金手帳の所在もわかりやすくしておきましょう。
忘れがちなのがマイナスの財産です。債券や債務、保証人になっているかどうかによって遺産相続時にトラブルが起きやすくなってしまいます。現在登録しているサービスなどの費用の未払いにも注意してください。
さらに、不用品を処分して財産をシンプルに整理しておけば、遺産相続や死後の片付けがスムーズになるうえ、相続人の間で揉めるリスクを最小限にできるはずです。家系図がある場合は、関係性も併せてその存在を知らせておきましょう。
財産整理についてひとりで考えるのが難しい場合は、ファイナンシャルプランナーなどへの相談がおすすめです。費用はかかりますが、適切な財産管理方法をアドバイスしてもらえるでしょう。
遺言書の作成
終活を行う際には、遺産相続について考え、必要に応じて遺言書を作成しましょう。
遺言書には以下3つの種類があり、それぞれ作成方法が異なります。
- 自筆証書遺言
- 公正証書遺言
- 秘密証書遺言
贈与税・相続税の支払い手段やマイナスの財産も含め、きちんと整理して法的に適切な方法で伝えられなければ残された人に大きな負担を背負わせるリスクがあります。特に、独身の方や離婚・再婚をしている人は相続時に揉めがちです。
遺言書には種類によってさまざまなルールが定められているため、個人で作成するのが困難な場合もあります。費用はかかりますが、弁護士など法律の専門家にアドバイスをもらいつつ作成を検討しておくと確実です。
自筆証書遺言
「自筆証書遺言」とは、本人が自ら書いた遺言書のことです。財産目録などの一部の添付書類についてはパソコンやワープロで作成してもかまいませんが、そのほかの基本的な書面は直筆で書かなければなりません。
自筆証書遺言には日付を記入したうえ、署名・捺印する必要があります。訂正する際も含め、法律で規定されたとおりの方法に反した遺言は効果を発揮しないため注意しましょう。(参考:自筆証書遺言に関するルールが変わります。|法務省)
なお、2020年7月から自筆証書遺言の保管制度が開始されました。保管制度を利用することで、自分で書いた遺言書が民法に定める自筆証書遺言の形式に適合するか外形的なチェックが受けられることに加え、紛失や書き換えなどのリスクを軽減することが可能です。(参考:自筆証書遺言書保管制度|法務省)
公正証書遺言
「公正証書遺言」とは、公証制度を利用し、公証人によって作成された遺言書のことです。法律で定められる基準を満たすためには、証人を別途2人立てる必要があります。
公正証書遺言は、信頼性の高い方法で遺言を残せるのがメリットです。一方で、公正証書遺言の作成には複数の必要書類を取得する必要があるうえ、証人を立てなければならないなど非常に手間がかかります。また、作成にかかる手数料や証人への謝礼金、専門家への依頼にかかる報酬など、一定の費用がかかる点もデメリットです。
秘密証書遺言
「秘密証書遺言」とは、内容を秘密にしたまま、遺言を残せる方法です。公正証書遺言と同じく、証人を2人立てなければなりません。
自筆以外でも効力を発揮しますが、中身の確認ができないため記載方法等に不備があれば無効になるリスクがあります。
身辺整理
終活においては、持ち物や人間関係などの身辺整理も重要です。
以下の点について、リスト形式でわかりやすくまとめておきましょう。
- 免許証・マイナンバーカード・保険証などの個人情報に関するもの
- 死後の持ち物の処遇
- 思い出の品の整理
- デジタルデータ(パソコン・スマートフォンのデータ、メールアドレス、IDやパスワードなど)
上記のポイントに加え、生活資金や生きがいなどにかかわる仕事についても考えておくべきです。いつまで仕事を続けたいか、充実した余暇の過ごし方もあわせて考えておきましょう。
老後の住まいに関しても検討しておくほうがいいといえます。このままひとりで暮らすのか、施設などに入所するのかによって生活が大きく異なるからです。
加えて、人間関係も見直してみてください。自分にもしものことがあった時、知らせて欲しい人は誰かなど、死後の慌ただしさの中では正確に伝わらない可能性があります。
今後どのような人と付き合っていくのか生前に考えをまとめ、分かりやすく整理して伝えておけば、老後の人間関係に関する心配を解決できるでしょう。
介護・病気の治療方針
老後の介護に関する希望や認知症の際の介護方針なども決めておくべきです。あらかじめ終活で治療方針を決めておくことで、自分の希望に沿った介護・治療が受けられるだけではなく、もしもの時に家族が判断しやすくなります。
現在の健康状態・使用している薬の有無と種類、利用できる介護医療保険制度などを誰がみても分かるようにリストアップしてください。施設への入所や、ガンなど命に関わる病気になった際の余命宣告の必要性と延命治療に関する意思も明確にしておきましょう。
残された家族に「これで本当に良かったのか……」と後悔させないためにも、自分の考えを整理して伝えておくことをおすすめします。
葬儀やお墓のこと
葬儀やお墓についても事前に決めておいたほうがいいでしょう。葬儀だけは自分では絶対に取り仕切ることができないイベントであり、家族の誰かが負担することになるからです。
トラブル軽減のためにも、葬儀の希望の有無や形式、喪主の希望、知らせる人は誰かなどを考え、書面などにまとめておきましょう。
また、埋葬方法やお墓の維持・管理、檀家制度の有無についても明確に伝えてください。なお、最近は家族に負担をかけまいと永代供養や散骨を選ぶ人も増えています。葬儀やお墓は生前に契約しておけるサービスもあるため、おひとりさまや自分の死後に家族にかかる負担を減らしたい方におすすめです。
エンディングノートの作成
終活の際には「エンディングノート」を作成しましょう。エンディングノートとは終活の記録のことであり、過去から現在、最期までの計画を書き記すものです。
エンディングノートに書く内容は、好みや要望に応じて人ぞれぞれ異なります。先述した遺産相続、財産管理、葬儀、各種連絡先の記載などのほか、死後の手続きが本人の希望であったことを示す証拠にもなるでしょう。
自叙伝のようにこれまでの印象的な出来事をエンディングノートに書き起こしたり、家族や友人に伝えたい言葉を書いたりするのもおすすめです。
あなただけのエンディングノートを作ることで、これまでにやりのこしたことはないか見直すキッカケになります。今後の生きる楽しみが見つかり活力が湧いてくるだけではなく、自分でも気付かなかった新しい一面が見つかるかもしれません。
ただし、エンディングノートは基本的に遺言書にはならない点に注意してください。エンディングノートに相続等における法的な効力はないため、遺言書とは分けて,あくまで自分の要望や気持ちを目に見える形で残すためのものだと理解しておきましょう。
終活で決めるべき具体的な内容について説明しました。財産を整理し遺言書にまとめることに加え、自分の死後に関する希望をエンディングノートにまとめておくことが必要です。
終活の内容は知識がないと自分だけで行うのが難しい場合もあり、煩雑に思えるかもしれません。しかし、終活は自分や周辺にさまざまなメリットをもたらすため、思い立ったときに準備しておくのがおすすめです。
次の章では、終活によって得られるメリットについて解説します。
終活で得られる6つのメリット
終活で得られるメリットは以下6点です。
- 家族や子供の負担を軽くできる
- 相続に関するトラブルを減らせる
- 自分らしい老後について考えるキッカケになる
- 身辺整理ができる
- 配偶者や家族、友人との絆が深まる
- 「死ぬこと」への恐怖が薄れる
以下でひとつずつ解説します。
家族や子供の負担を軽くできる
終活をすることで、家族や子供の負担を軽減できます。もし何も決めずに亡くなった場合、残された家族は葬儀・お墓を始めとする死後のさまざまな手続きに追われ、大慌てでしょう。遺品整理も骨が折れる作業であり、業者に頼むと費用がかさみます。
生前にあらかた決めておけば、急にもしものことがあっても手続きがスムーズです。大切な家族のためにも、事前に終活をして自分の身の振り方を決めておきましょう。
相続に関するトラブルを減らせる
終活は相続に関するトラブルを減らす有効な手段になります。
死後の遺産相続で揉めるケースは珍しくなく、家族・親族間で関係悪化してしまうリスクもいなめません。現在の親族間における関係が良好でも、金銭がからむと最悪の場合は裁判に発展するおそれもあるのです。
遺産や相続について明確に決めておくことで、揉め事を最小限に抑えられるでしょう。
自分らしい老後について考えるキッカケになる
終活は自分らしい老後について考えるキッカケになるのもメリットです。自分の考えや気持ちの整理ができれば今後の方針が自ずと見えるようになり、残りの人生を豊かなものにできます。
限られた時間の中で、自分は何がしたいのか、何ができるのかを考えることで充実した余生を送れるでしょう。
身辺整理ができる
終活をキッカケに身の回りの物や財産、人間関係の清算をしておけば、身辺整理ができます。
断捨離にもなるためすっきりとした暮らしが実現するでしょう。
配偶者や家族、友人との絆が深まる
終活でこれまでの人生を振り返りると「こんなこともあったね」と身近な人との間で話し合うキッカケになります。
思い出に浸れるだけではなく、相手の大切さが再確認でき、絆が深まるでしょう。
「死ぬこと」への恐怖が薄れる
終活で自分の最期に正面から向き合うことで「死ぬこと」への恐怖が薄れるはずです。たしかに、自分の死後を考えるのは気が進まないかもしれません。しかし、終活によって今までのわだかまりが解消し、これからのことを考えるキッカケになったという声もあります。
不安や悩み、心配ごとを人に話すだけでも心が軽くなります。終活をキッカケに、日本に根強く残る「死について話す=不安を煽る、触れてはならない話題」という文化を払拭していきましょう。
終活することで得られるメリットについて説明しました。自分の死に向き合う終活は負担があるかもしれませんが、死後のさまざまな憂いを断ち、心の安寧と平穏な暮らしが手に入ります。自らのためだけではなく周囲のためにも、終活は非常に重要なのです。
ただ、終活のメリットを最大限に活かすためには、何点かのポイントに気をつけておかなければなりません。次の章では、終活する際の注意点について解説します。
終活する際の注意点
終活する際に押さえておきたい注意点は以下のとおりです。
- 早く決めようと焦らない
- 家族・子供の意見も聞いておく
自分ひとりで先走って決めようとするのではなく、周囲の気持ちも考慮しながら慎重に終活を進めましょう。
早く決めようと焦らない
終活は考えるべき項目が多いため、早く決めようと焦らず少しずつ決めて行くことがポイントです。
終活は人それぞれ終着点が異なるため、ひとつの意見だけに惑わされるとうまくいかないおそれがあります。自分にとって優先順位の高い事柄を考え、必要な情報を集めてください。
自分の気持ちを整理したうえで理想の老後のために不足していることを把握し、資金に問題がある場合は少しでも長く収入を得るための活動を検討しましょう。
家族・子供の意見も聞いておく
終活を進めるうえでは、自分だけではなく家族・子供の意見も聞いておく必要があります。自分の死後のことを実際に執り行うのは残された家族であり、独断で決めるのはおすすめできないからです。
終活は自分の希望を叶えるためであると同時に、残される人への配慮でもあることを理解してください。お墓や埋葬方法も含め、亡くなった家族を思う残された家族の気持ちも大切にできる方法を考えましょう。
終活の際の注意点について説明しました。周囲と話し合いつつ、慎重に終活を進めることで理想の老後が迎えられるでしょう。
ところで、老後にはどれくらいの資金がかかるのかご存知ですか?費用の見通しが立たないと終活が進めにくいでしょう。次の章では、資金の準備方法も含め、老後の資金問題について考えていきましょう。
【番外編】今すぐ考えておきたい老後資金問題
老後について考える際には次の点を把握しておくほうがいいでしょう。
- 老後資金はどれくらいかかる?
- 老後資金の準備方法
ただやみくもに終活するのではなく、具体的な資金面での問題を知ることで、今後の人生を考えるヒントが得られるはずです。上記2点について、それぞれみていきましょう。
老後資金はどれくらいかかる?
厚生労働省によると、60歳以上が最低限の生活を送るために必要な費用は平均で月23.5万円必要だといわれています。さらに、ゆとりのある生活を送るためには月平均37.8万円が必要です。(参考:高齢者の生活実態|厚生労働省)
また、令和元年における平均寿命は男性81.41歳、女性87.45歳となっています。(参考:e-ヘルスネット|厚生労働省)このため、65歳で定年し90歳まで生きると仮定した場合、必要な老後資金は以下のとおりです。
- 最低限の生活に必要な費用=23.5万円×12月×25年=7,050万円
- ゆとりある暮らしに必要な費用=37.8万円×12月×25年=11,340万円
(参考:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/nennkinn10_3.pdf|厚生労働省)
老後資金の準備方法
老後については、以下が主な資金源となります。
- 年金
- 預貯金
- 公的扶助
老後を豊かなものにするためには資金面も重要であり、年金だけですべてを賄うのは難しいといえます。また、自宅のリフォーム費用や、施設への入所費用も考慮したほうがいいでしょう。
現在の収支と無駄な支出はないか確認し、貯蓄を増やせる手立てはないか検討してください。具体的には、固定費や保険料・投資の見直しや不要な物品・不動産の売却、今の暮らしにあった車への乗り換えなども有効です。
場合によっては、仕事の再開や自宅を担保とする融資を受けることも検討する必要があるかもしれません。
気になる老後の資金問題について説明しました。老後には決して少なくない費用が継続的に必要であり、必要に応じて今のうちから費用を見直していかなければなりません。
あわせて、老後に関する契約について知っておくともしものときにも安心です。次の章では、安心して老後を送るためにぜひ知っておきたい契約について解説します。
安心して老後を送るために押さえておきたい契約一覧
安心して老後を送るためには、以下の契約についての知識を持っておきましょう。
財産管理委任契約 | ・財産を管理してくれる代理人を決める(口約束でも可)
・確実性を高めたいなら公正証書の作成を ・必ずしも代理人による手続きが認められるわけではない場合に注意 |
死後事務委任契約 | ・亡くなった後の事務手続きを委任する契約
・病院への支払い、遺体の引き取り、葬儀や遺骨の処遇など ・身寄りがない人は死後事務委任契約を結んでおけば安心 |
任意後見契約 | ・障害・認知症などで自らの手で財産管理が難しい際に後見人を立てられる
・介護保険手続きの代行も可能 ・任意後見人は本人が選べる ・家庭裁判所に任意後見監督人(後見人が適正に契約を履行しているかを監督する人)に関する審判を仰ぎ、選任してもらう必要がある ・契約者本人の健康状態・生活の様子を定期的に確認し、後見人の要否を判断する「見守り契約」もある |
民事信託(家族信託) | ・財産管理を家族や友人に託すこと
・遺言書を残すより遺産相続の希望に柔軟な対応が可能 |
ペットに関する取り決め | ・ペット信託(ペットの処遇をNPO団体等に託す)
・ペットに財産を相続させることはできないため注意 ・ペットの世話を引き継ぐ代わりに財産を贈与する「負担付死因贈与契約」という手もある |
上記の契約についての概要を把握しておけば、老後の生活を支える柱になる可能性があります。
老後に知っておくと便利な契約の一覧を紹介しました。複雑に思えるかもしれませんが、手段は多く持っておくほうがあらゆるシーンに対応しやすくなります。
とはいえ、自らや家族だけですべてを把握し取り決めるのは難しい場合もあるでしょう。終活に関する悩みは、専門機関への相談がおすすめです。
次の章では、終活に関して相談できる専門家・機関について説明します。
終活に関する相談先
終活に関する相談先としては、以下が挙げられます。
- 法律に関する専門家
- ファイナンシャルプランナー
- 葬儀会社
- 終活アドバイザー
法律に関わることや、不動産相続の登記・税金などに関する相談は弁護士・司法書士・行政書士など法律の専門家に相談することで解決できます。ただ、数万〜数十万の費用がかかるのがデメリットです。
財産および老後資金に関する悩みを相談するのであれば、ファイナンシャルプランナーへの相談が最適です。しかし、金銭面以外の内容には詳しくないファイナンシャルプランナーもいることに注意してください。
亡くなった直後の手続きや葬儀に関する疑問は葬儀会社に相談することでベストなプランを提案してもらえるでしょう。ただし、葬儀以外のことは専門外な会社もあり、終活の総合的な相談には適していないかもしれません。
終活に関してどこに相談すればいいのか迷ったときには「終活アドバイザー」に相談するのがおすすめです。
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実績豊富な信頼できる終活アドバイザーに相談すれば、あらゆるケースに寄り添ってもらえるため、満足できる終活を一緒に見つけることができるでしょう。
終活に関する相談に乗ってもらえる機関・専門家について説明しました。終活について何から始めるべきか見当がつかず、どこに相談すればいいのかもわからないときは、終活アドバイザーに相談してみましょう。
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まとめ
今回は終活に関するお悩みごとについて解説しました。
豊かな老後や自分らしい最期を心穏やかに迎えるためには、正しい方法で終活することが必要です。家族や周囲ともよく話し合い、最適な方法を焦らずに探していきましょう。
相談できる人がいない方や、知識がなくて不安な方は「GEE-BAA倶楽部」にぜひご相談ください。定期的にLINEや電話でみまもるプランもあるため、いざという時も安心です。
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